今年一年を振り返って、不動産の価格という点で見れば全体的に昨年に引き続き、「上っていた」、もしくは「高止まりしていた」一年だったように思えます。特に不動産業界では買い取り価格の上昇により、なかなか物件の仕入れができない状況が続いています。収益不動産に関しては、今は一般の投資家でさえ様子見の中で、プロの業者のほうが高い金額で買っている事例も多く見られます。購入する側も様々な理由からでしょうが、現在でも人口が増え続けていて「東京オリンピック」も控えている東京は別として、空室がでれば賃料が下がる関西で、この先“下振れ”のリスクを考えるとちょっと手が出せない利回りでの物件が取引されている事に興味を覚えます。

当社でも今年は物件の仕入れがなかなかできない一年でした。年末には久しぶりに不動産競売の物件に入札したのですが、開札の結果は入札総数も50件以上で(最近の収益物件でも多くて30件くらいでしょうか・・・)、最高価は当社が入札した金額の倍近い価格でした。少し前までは、一番手の価格だけが飛び抜けていて、2番手、3番手以降は“ダンゴ状態”ということが多かったのですが、今回は3番手までも案外近い金額で入札されていました。今は収益物件だけに限ったことではないですが、競売物件で落札される金額の方が一般に出ている不動産物件よりも高いような感じがします。

今月、当社で所有していた収益マンションを売却しました。昨年一般の方から買った3階建てのマンションですが、当時依頼されていた管理会社が良くなかったのか、入居状況は15室のうち14室が空室で、建物自体も屋上の防水が切れて雨漏りがしており3階の部屋の内装まで雨漏りの痕跡がありました。知り合いの業者様からお話をいただき、売主様が希望されている売却金額にあわせて買わせていただきました。取得した後、半年近くかけて屋上防水工事、共用部廊下防滑シート工事、外壁塗装工事、室内全面改装工事、エアコン・給湯器取替え工事、機械式駐車場の解体埋め戻し工事等を行い、新たに入居募集をして満室にしてから販売しました。簡単な物件ではなかったですが、マンションを“加工”していくなかで勉強になることもあり、何よりも、以前の所有者様、紹介していただいた不動産業者様、工事に関わって下さった業者様、入居者様、売却時の仲介業者様、買主様等みんなに喜んでいただいたのが良かったと思います。

今年は税理士さんや一般の方、それに初めてという業者様からの「ホームページを見ました」という事で不動産に関する相談のお電話をいただきます。すべての案件が解決できるわけでもないですが、私共もたとえビジネスにつながらなくてもできるだけお力になれるよう対応させていただくよう努力しております。

来年も引き続きよろしくお願いいたします。