去年から続いている収益不動産バブルは、結局今年1年引き続いた状態で終わりました。金融機関の金余り現象とマイナス金利の影響で、レバレッジを効かせた収益不動産の取引に拍車がかかったようです。

最近では不動産業者だけではなく、マンションやアパートなど収益不動産を所有する一般法人や個人も増えてきています。そのため、ある程度仕上がった収益不動産に関しての買取りの競争が激しく、仕入れは益々厳しくなってきています。

収益不動産だけではなく、“インバウンド”からの要素を見込んだホテル用地や民泊案件等、特に都心部での不動産価格はかなり上昇しました。一方で、田舎の方の土地や収益を生まない不動産は需要がなくなり、価格が付かない状況になっています。環境も眺望も良く昔は結構高い値が付いた土地でも、山手で駅から離れていたりバス便しかなかったりすると、やはり人気(需要)が無く、結局価格に反映されてしまいます。

ファミリータイプの中古区分所有マンション買取りの例

今年取引させていただいた、ファミリータイプの中古区分所有マンションの例をご紹介いたします。こちらのマンションは地域的には悪いところではないのですが、駅から2km離れており、徒歩なら坂道を20分以上、バス便でもバス停から徒歩7分という立地。そのため、金額そのものよりいつ売却できるかという“時期”のリスクを考え、当社ではなかなか思い切った買取り金額の数字が出せませんでした。

「どうすれば高い金額で売却できるか」を売主様と色々相談しながら進めて、結局知り合いの業者に買っていただきました。売主様も状況はよく分かっていらっしゃったので、マンション評価額からかなり低い金額でも逆に喜んでいただき良かったと思っております。

「ただでも売りたい」収益不動産の買取りでお困りの方のために

区分所有マンションは、管理費・修繕積立金というものがあります。固定資産税もかかってきます。自分が使っていない不動産でも、所有するだけでお金がかかるのです。

実は、去年から今年にかけて、当社の「ホームページを見ました」と言って相談を受ける事案で、こういった“ただでも売りたい”という案件がかなりあります。最終的な形が、需要のある不動産に仕上がれば当社での買取りも検討できるのですが、逆に需要がないとなるとビジネスにつながらないので中々検討し難いのです。

ただ、そういった不動産で困っている方がたくさんいらっしゃるのなら、方法論をもっと考えてお役に立てるようなビジネスモデルを作っていくのも使命ではないかと最近感じております。